GRADEシステムとは

grade
ようこそ

我々“推奨度の検討・開発・評価”(略称:GRADE)ワーキンググループは、医療で用いられる既存のグレーディングシステムの短所を改善したいと願う人々により、非公式の共同体として2000年に発足した。当グループの目的は、エビデンスの質と推奨の強さをグレーディングするための、一般的かつ分かりやすいアプローチを開発することである。

医療では、エビデンスや推奨の判断は複雑である。例えば、中等症うつ病の治療として、選択的セロトニン再吸取込阻害剤(SSRI)と三環系抗うつ剤のいずれを推奨するかを決定する際に、どのアウトカムを考慮するのか、各々のアウトカムに対してどのエビデンスを参照するのか、どうやってエビデンスの質を評価するのか、どうすれば三環系抗うつ剤よりもSSRIのほうが害よりも利益が多いと判断できるのかといったことについて、推奨を決める者の間でコンセンサスを形成しておかなければならない。資源は常に限られており、資金をうつ病の治療に割り当ててしまったら、もはやその資金は他の価値ある介入には使えないので、健康上の便益の増分が追加的コストに見合うものなのかどうかについても判断する必要がある。

医療の効果に関するシステマテイックレビューは必須だが、これだけでは十分な情報が提供された上で意思決定を行うには不十分である。レビューアやレビューを使用する人々は、暗示的にせよ明示的にせよ、エビデンスの質についての結論を出す。この判断がその後の判断を促す。例えば、心房細動の患者に対してワーファリンを投与すると脳卒中のリスクが減少するというエビデンスが確実(質が高い)だと思うか、それとも不確実(質が低い)だと思うかによって、臨床行動は異なるのが当然だろう。

同様に、診療ガイドラインを作成する者もそれを使用する者も、暗示的にせよ明示的にせよ、推奨の強さについて結論を出す。同じ例を使って説明すると、心房細動の患者をワーファリンで治療するよう推奨しているガイドラインがあるとすると、その中で心房細動の患者はすべて必ずワーファリンで治療すべきだと書いてある場合もあれば、ワーファリンによる治療がすべての心房細動の患者に有用だとは保証できないという意味で、心房細動の患者にワーファリンを投与してもおそらくよいだろうと書いてある場合もあるだろう。

以上で示したような、系統的で明示的なアプローチによって判断すれば、過誤を防ぐことができ、こうして行われた判断は批判的に吟味できるようになり、この情報の伝達を改善させることができる。1970年代以来、さまざまな組織が、さまざまにエビデンスの質(レベル)と推奨の強さについてのグレーディングシステムを使ってきた(1)。残念ながら、エビデンスと推奨についてのグレーディングシステムは組織によって種々に異なっている。同じエビデンスや推奨でも、グレーディングシステムによって、「II-2, B」、「C+, 1」などとグレーディングされたり、「強いエビデンス、強い推奨」などとグレーディングされたりで、グレーデイングの方法はさまざまだった。この状況は効果的な情報伝達を妨げ、混乱させている。

つづきは、FAQ日本語版ーPart(2)★★★へ。

新しいGRADEアプローチについて、詳しく知りたい場合は、GRADE working group HP-FAQ論文のセクションを参照すること。

(注)本内容は、GRADE working group HomePage(2007.Sep) の和訳で、GRADE memberの一人として紹介する。
FAQ和訳実施は、相原守夫(相原内科)、湯浅秀道(東海産業医療団中央病院歯科口腔外科)、豊島義博(第一生命日比谷診療所歯科)が共同で実施、最終的に斉尾武郎(フジ虎ノ門健康増進センター)に監修していただいた(敬称略)。本公開は、海外Working groupの許可のもとに行なった。(2007/Dec)

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