MAGIC: Making GRADE the Irresistible Choice

GRADEを魅力的選択肢にするための取り組み


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*MAGIC: Making GRADE the Irresistible Choice

MAGICは、診療ガイドラインに関するいくつかのプロジェクトを含む研究開発プログラムで、MAGICという非営利団体がGRADEガイドラインを電子カルテに(臨床決断支援システムとして)統合し、医療現場における適用や医療の推奨の動的更新を推進するための方法と技術を、DECIDE, Evicare, CDSC, コクラン共同計画, Epistemonikos, DIPS ASA, GRADE working groupと共同で開発しています。2013年5月時点におけるプロジェクトは、PLUGGRED-IN, SNAP-IT, SHARE-IT, TRUST-IT, CLICK-IT, GAME-IT, PICO-ITがMAGICのウエブサイトに紹介されています。http://www.magicproject.org/

MAGICの代表であるPer Olav Vandvikの協力・許可を得て、MAGICの概要(MAGIC ホームページのOverviewページ)を日本語で紹介します。


電子化GRADEガイドラインの執筆・配布・動的更新を最適化するための研究開発プログラム

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図1 MAGICプログラムにおける枠組みとツールの作成
いくつかの他のスライドはオリジナルサイトを参照ください。

背景: GRADE手法は、研究エビデンスの質を評価・報告し、ガイドライン作成においてエビデンスから推奨を導くための系統的で透明性の高いプロセスを推進する。医療現場におけるガイドラインの執筆・管理・利用の推進も同様に重要である。

目的: GRADEガイドラインの効率的な執筆、最適な提示、適用に向けた個別対応プロセス、動的更新を実現する概念的枠組み・方法・技術の開発、ならびに協議による意思決定を行うためのツール開発を目的とする。

方法: MAGIC研究プログラムには、ガイドライン作成者、臨床医、方法論学者、インタラクションデザイナー、プログラマーからなる分野横断的なチームが参与している。MAGICは、DECIDEGRADE working groupとの緊密な連携を通じて、最終的には全てのガイドライン組織が利用可能な執筆ツールの電子プラットフォームとテンプレートを作成する。

MAGICプログラムの主要目標に対応するために、最初、3つの独立した研究プロジェクトが開始された。SNAP ITは、国際抗血栓ガイドライン(600件の推奨からなるACCP AT9)を実際にノルウェーで適用することにより、電子プラットフォームとテンプレートからなるわれわれの執筆ツールの開発と検証を行う。PLUGGED INは、患者固有のデータとリンクさせたEMR(electronic medical record: 電子カルテ)にガイドラインを組み込むためのプロトタイプを開発する。SHARE ITは、診察における意思決定の共有を実現するために、ガイドラインの推奨にリンクさせた決断支援カードを開発する。

その後、MAIGIC研究プロジェクトはさらに増えており、2015年4月現在は、以下のプロジェクトが紹介されている。

PLUGGED-IN, SNAP-IT, SHARE-IT, DYNAM-IT, TRUST-IT, CLICK-IT, GAME-IT, PICO-IT

ガイドライン作成者にとっての意味: MAGICプログラムは、最終的には今日のガイドライン作成・配布・更新におけるいくつかの弱点の解決策を提供するものと考えられる。質の高いガイドラインを執筆・更新・配布するための共通の枠組みは、資源への負担を軽減し、医療現場におけるガイドラインの使用を促すことになるだろう。


表1信頼性の高いガイドラインのためのMAGICの目標と要件

 
MAGICの達成目標は何か MAGICが開発するものは何か
1. 効率的なガイドライン執筆・適用・動的更新電子ガイドライン執筆ツール。推奨事項の適用と動的更新の方法
2. ガイドライン情報の最適な表示形式医療現場における臨床医の情報ニーズに対応した表示形式による、重層構造のガイドライン情報
3. 効率的なガイドライン配布Webガイドライン、EMR、デバイス(タブレットやスマートフォン向けのアプリケーション等)への統合に対応するための、構造化されたタグ付きの情報
4. 電子カルテ(EMR)へのガイドライン統合信頼性の高いガイドライン(例: 強い推奨と弱い推奨の両方)のための最新の基準に即したコンピュータによる決断支援システム(CDSS: computerized decision support system)
5. 医療現場における協議による意思決定(Shared decision-making)ガイドラインの推奨にリンクされた、患者と臨床医向けの電子決断支援ツール(Electronic decision aids)

http://www.magicproject.org/